日本語の「やばい」。
外国人のインタビューにも「ヤバイネ!」と聞くことがある、日本語が誇るべき、万能フレーズの一つです。
例えば、「やばい、最高!」(感動・興奮)、「やばい、遅刻する!」(焦り・ピンチ)、「あの人ちょっとやばい…」(警戒・不安)など、ひとことであらゆる感情を表現できます。
こうした「やばい」という感情を英語で言うには?「やばい」をそのまま単語に置き換えることは難しく、文脈に応じて(すなわち空気を読んで)適切なスラングやフレーズを選ぶ必要があります。
この記事では、ネイティブが実際に使う「やばいを表現する英語スラング」を厳選して紹介します。
なぜ「やばい」を英語で表現できない?
「やばい」は万能すぎて、一概に「これだ!」と当てはまる単語はありません。よって、この万能感を一語で表す言葉はなく、状況に合わせて単語を使い分ける必要があります。
例:
- ポジティブ → 「この映画、やばいくらい面白い!」
- ネガティブ → 「財布落とした…やばい!」
- 警戒 → 「あの人ちょっとやばい…」
そのため、直訳は出来ないことを前提に、文脈に合った英語のスラングを使うのがポイントです。
ポジティブな「やばい」を伝える英語スラング
まずは、「最高!」「すごい!」というポジティブなニュアンスで使える表現を、日常会話やSNSでよく見る表現を中心に紹介します!
Awesome — 最高!すごい!
ニュアンス:王道の「やばい」。ほとんどの場面で使える便利ワード。
例文: “Your presentation was awesome!”(君の発表、やばいくらい良かったよ!)
Lit — めっちゃ盛り上がってる
ニュアンス:パーティーやイベントが最高に盛り上がっているときに使う。陽キャ向け。
例文: “The party last night was lit!”(昨日のパーティー、マジでやばかった!)
Dope — 超イケてる、最高
ニュアンス:音楽・ファッション・カルチャー系でよく使われる。サブカル感を出したい時はこちら!
例文: “That new track is dope!”(あの新曲、やばい!)
Sick — クール、かっこいい
ニュアンス:まさに「病的」なスポーツ技やすごいパフォーマンスに対して使われることが多い。エクストリーム感の強い技にピッタリです!
例文: “That trick was sick!”(あの技、やばい!)
Insane— 信じられないほどすごい
ニュアンス:非日常感を表したい時、さらにちょっとネジ外れちゃってる感を出したいときの単語!
例文: “The view from here is insane!”(ここからの景色、やばい!)
Epic — 壮大で圧倒される「やばい」
ニュアンス:スペクタクル感を最大限に表現するのはコレ。ファンタジーやSFで、その雄大さを表すのに使っている印象。
例文: “The movie was epic!”(あの映画、やばいくらい壮大だった!)
ネガティブな「やばい」を伝える英語スラング
次は「まずい」「危ない」「ひどい」といったネガティブな意味の「やばい」を表す表現です。
Sketchy — 怪しい、うさんくさい
ニュアンス:見た目や雰囲気が怪しくて、危険や不正が潜んでいそうなニュアンス。要は「信用できないモノ」。
例文: “That alley looks sketchy.”(あの路地、やばそう…)
Screwed — 絶望的な状況、もうダメ
ニュアンス:取り返しがつかない状況に陥って、絶望している感じです。「\(^o^)/オワタ」が近い。
例文: “I forgot the deadline. I’m screwed.”(締切忘れた…マジでやばい)
Messed up — めちゃくちゃ、ひどい
ニュアンス:物理的にも精神的にもぐちゃぐちゃな様子。実は、映画を観ていると結構聞くフレーズの一つです。
例文: “That was really messed up.”(それ、本当にやばいね…)
Brutal — えげつない、辛辣なやばさ
ニュアンス:厳しさや辛辣さが際立つ。精神的・肉体的にガツンとくる感じで、ショッキング度で言えば上位に食い込む感情表現。
例文: “The exam was brutal.”(テスト、やばかった…)
Awful — ひどい、最悪
ニュアンス:気分が悪くなるような不快さ。日常会話上、不快感を表すのに使いまわしが効く表現で、スラングっぽさは薄め。
例文: “The weather is awful today.”(今日の天気、やばいくらいひどい)
「やばい人」を表すフレーズ
- a sketchy person(怪しい人)
ニュアンス:見た目や言動が胡散臭い人。腹で何を思っているか分からない、またトラブルに巻き込まれそうで、近寄りがたいタイプはこれを使いましょう。 - a weirdo(変な人)
ニュアンス:変わったやつだけど、嫌いになれないタイプに対してはコレ。常識から外れている感じで奇妙だけど、なんだか憎めない友人に使ってみましょう。 - a crazy guy(やばいやつ)
ニュアンス:いっちゃってるタイプに使うシンプルな単語。”I’m crazy for you.”は恋愛でも使う「あなたにゾッコン」みたいな意味ですが、常識を逸したヤツ(guy)に対してはこちら。
スラングを使いこなすためのコミュニケーション上の注意点
「やばい」のスラングは便利ですが、使い方を間違えると誤解を招くことがあります。特に中学生英語や学校の会話、SNSでの投稿などで使う際は以下のポイントを意識しましょう。
注意点①:文脈がすべて
重ねて言いますけど、文脈によって意味が大きく変わります。たとえば “sick” は「すごい(かっこいい)」にも「病気」という意味にもなるので、前後の文脈で判断しましょう。
注意点②:相手との関係性
スラングは基本的に親しい間柄で使う言葉です。目上の人やビジネスの場では避けた方が無難です。例えば、上司に “Your report is so lit!” と言ってしまったら、完全に浮くでしょう。
注意点③:文化差・地域差
SNSで流行っている表現でも、地域によっては不自然に響く場合があるので注意。例えば、アメリカ英語で日常的に使われるスラングが、イギリスやオセアニアでは通じにくいことがあります。
注意点④:発音とイントネーション
実は、スラングは上級者向けのワザ!発音やイントネーションが伝わりやすさに直結します。必ずネイティブの音声を聞いて真似しましょう。
まとめ:やばいは「使い分け」が鍵
日本語の「やばい」は万能ですが、英語ではその場の感情や状況に合わせて別々の単語を使い分ける必要があります。
ポジティブ系(やばい=最高):awesome / lit / dope / sick / insane / epic
ネガティブ系(やばい=まずい・危ない):sketchy / screwed / messed up / brutal / awful
スラングは文脈・相手・文化差を意識して使うと、SNSや会話でグッとネイティブらしい表現になります。
ぜひ今回紹介した表現を実際に使ってみてください!
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