・「電車で近くの外国人がずっと大声で話していて落ち着かない…」
・「スピーカー通話や音楽を流している人もいて困る…」
そんな経験をしたことはありませんか?
日本の電車では「静かに過ごす」「他人に迷惑をかけない」が当たり前のマナーですが、ひょっとしたら世界では必ずしもそうではありません。
この記事では……
・文化の違いを踏まえた、簡単注意喚起フレーズ集
・公共の場でのマナーの違いとは
・バングラデシュでの実体験
を中心に、外国人の電車マナーが日本人にとって“うるさい・非常識”と感じられる理由を、文化的背景からわかりやすく解説してみました。

筆者プロフィール……
・TOEIC845点・EPT79点(英語発音上級)。
・開発途上国への都市計画に関する技術支援プロジェクト(ODA等)参画。
「バングラデシュ行きの機内での驚きの出来事」も交えながら、異文化を理解し、ストレスを減らすヒント、またどうしても譲れない時の一言を解説します
文化の違いを理解して気持ちよく共存するには
文化が違えば、「常識」も変わります。
だからと言って、日本人にとっては、実際に電車や待ち列などで、どうしても困る場面もありますよね
そんな時は、怒るのではなく落ち着いて、端的に、穏やかに伝えることが大切です。
ここでは、相手を傷つけずに気持ちよく伝えるためのシンプルな英語フレーズを紹介します。
困ったときに伝えたい「簡単」「やさしい」英語フレーズ
- “Could you please lower your voice?”
(もう少し声を小さくしていただけますか?)
→ 電車内や観光地での大声が気になるときに。 - “Please turn off the speaker, thank you.”
(スピーカーをオフにしてもらえますか?)
→ スマホで音楽や通話をスピーカーでしている人に。 - “Please wait in line.”
(列に並んでください。)
→ 駅のホームや券売機前で割り込みされたときに。 - “Could you give me some space, please?”
(少し距離を取ってもらえますか?)
→ パーソナルスペースが近すぎると感じたときに。 - “No phone calls on the train, please.”
(電車内では通話を控えてください。)
→ 通話している相手に穏やかに伝える定番フレーズ。 - “Please do not leave your trash behind.”
(ごみは放置しないようにしてください。)
→空のペットボトルや缶等をその場に置いていこうとした人に。
💡ポイント:
どれも「命令」ではなく、“please”を入れて柔らかく伝えるのがコツです。
表情を穏やかにして言えば、ほとんどの人は素直に理解してくれます。
日本の「電車マナー」は世界では特別?

日本人にとっての“静けさの美徳”
日本では、公共の場では「静かにする」「他人に迷惑をかけない」が当たり前の感覚として根づいています。
特に電車では、
- 私語を控える
- 通話は避ける
- 音漏れを防ぐ
といったマナーが社会的常識です。
この“静けさ”の文化は、礼儀正しさや思いやりの象徴として長年育まれてきました。
しかし日本のケースは、世界的に見ると少々偏り気味の価値観でもあります。
海外では“賑やかさ”が自然な国も
もちろん、海外でも、やかましくしていれば、マナー違反で注意されることもあります。
しかしながら、海外では「公共の場=静かにすべき場所」という意識は、日本ほど一般的ではないことも。
欧米諸国やアジアの一部では、電車やバス内の至るところで、家族や友人と楽しそうに会話するのが普通です。
スマホのスピーカーで音楽を流す人もいれば、電話をしている人も珍しくありません。
★体験談……
さらに、何も会話だけが、「公共の場の音」ではありません。
過去に、タイ・バンコクのモノレールに乗った際、何気に気になったのがモニター広告から音声が流れていたこと。日本だとミュートですよね
つまり、日本人が「マナー違反」と感じる行動も、その国では“普通”というケースが多いのです。
このギャップが、「うるさい」「邪魔」といった違和感の原因になっています。
経験談:バングラデシュで感じた文化の違い
離陸直前まで“全員通話中”の機内
★飛行機の中での実体験……
筆者がバングラデシュ行きの飛行機に乗ったときのこと。
驚いたのは、離陸直前まで多くの乗客がスマホで電話をしていたことでした。そして、通話手段の半分はテレビ電話!
最初は「どうして注意されないの?」と不思議に思いましたが、現地の文化を知ると納得しました。
彼らにとって、
- 電話は人とのつながりを保つ大切なコミュニケーション
- 「公共の場では静かに」が前提ではない
という社会的背景があるのです。
つまり、それはマナー違反ではなく、日常の延長線上の行動なのです。
パーソナルスペース“最小限”な社会
さらに印象的だったのは、人と人との“距離感”の違いです。
バングラデシュでは、友人同士はもちろん、知らない人ともすぐに距離が近くなります。
市場やバスでは肩が触れ合うのが日常。
★飛行機の中での実体験……
・あなたが窓側に座っていると、隣のバングラデシュ人は空の景色を撮ろうと、何も言わず、平然とあなたの体の前に身を乗り出し、窓から外を覗き込みます。
・あなたがビールを頼むとします。隣のバングラデシュ人は、何も言わずにコップをこちらに向けてくることがあります。
何もバングラデシュ人を非難するつもりではありません。
ただ、日本では「近すぎる」「図々しいな」と感じる距離感でも、彼らにとってはごく自然なことです。
常に「わちゃわちゃ」と賑やかに過ごすことが、安心感や一体感を生む文化なのです。
だからこそ、日本の電車で感じる「距離の近さ」や「にぎやかさ」も、「悪気のない文化」の表れといえます。
お互いが気持ちよく過ごすためにできること
文化の違いを理解しても、実際にストレスを感じることはあります。
そんなときは、次の3つを意識してみてください。
- 「悪意ではない」と知ること
マナーの基準が違うだけで、相手が意図的に迷惑をかけようとしているわけではありません。 - やさしく伝える勇気を持つこと
とは言え、我慢ばかりは禁物!シンプルな英語でも、穏やかに伝えればきちんと伝わります。 - 過剰な期待をしないこと
すべての外国人が日本のマナーを理解するのは難しいもの。
“完璧を求めず、違いを受け入れる心の余裕”が共生の第一歩です。
こうして見ると、どちらが正しい・間違っているではなく、価値観が違うだけなのです。
少しだけ相手の文化を理解することで、電車内のストレスはぐっと減ります。
そして、お互いに気持ちよく過ごせる社会を目指していけるはずです。


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